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演奏について21(他の人の話を語る時 其の一) [作曲と演奏について]

演奏について21(他の人の話を語る時 其の一)

 

ちょっと今回は趣向を変えて語り飲テクニックのようなことを書いてみます。

浄瑠璃の中で、他の人が話したことをまた別の人に伝える、という文章があります。例えば次の文章です。

 

「天狗共頭(こうべ)を地に付け「此の山の倶利伽羅不動の仏勅にて 弘知の法力を現し 末世の衆生に拝ません為なれば 汝ら障碍をなせとの 御方便にて候也。全く我々が所為にては候らはず。お暇申し候」とて 消すが如くに失せにけり。」

 

四段目の初めにあるのですが天狗が弘知法印に向かって話す詞です。文章からもお分かりのように、「弘知の法力を現し 末世の衆生に拝ません為なれば 汝ら障碍をなせ」は、倶利伽羅不動の言った話をそのまま弘知法印に話していると考えて良いでしょう。そのような時、太夫はこの部分を別の人物が話しているとはっきり分かるように語らなければなりません。つまり、この部分だけ音階やテンポなどを変えて語ります。私は、音階を少し低く、テンポは少しゆっくり、そして少し重々しく語ることで別の人物が話しているように語る積りです。

しかしこれもそう簡単ではなく、なかなか別の人物が話しているようには聞こえないものです。

 

写真は本のその部分ですが、私は読んでも直ぐにそれと分かるように文章の始まりと終わりに赤い△、▽印をつけています。

007.jpg


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