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信太妻の編曲12(5月4日) [作曲と演奏について]

信太妻の編曲12(5月4日) 

このところ夜1時間半くらい信太妻の本を書いています。

進行状況は思った以上に進んでいると思います。

「弘知法印御伝記」で古浄瑠璃の作曲や本書きを一度経験しているからだと思います。

3分の2近くまで書き終わったようです。 

赤木文庫からダウンロードした正本と活字の文章とを見比べながら、文章と朱(譜)を手書きしていることは以前にも書かせて頂きました。

活字の文章は、私が想像していた以上に正本を忠実に写し取っています。

どなたか古浄瑠璃の研究者の方が写し取ったと思いますが、大変なご苦労だったと思います。

非常に正確だと感心することしきりです。

正本は、「弘知法印御伝記」と同様、漢字は非常に少なく殆どがひらがな文字で書かれていますが、活字に直す時は読み易いように漢字に直してある個所もかなり多くあります。

古浄瑠璃時代の正本は、鳥越先生も仰るようにやはり漢字の読めない庶民にも読めるようにひらがなが多くなっていると思いました。 

「弘知法印御伝記」の正本との大きな違いは、節の名称がところどころに書いてあることです。

これは私が曲を作る際に大変参考になり大いに利用させてもらっています。

曲を作る際の目安としてはものすごく有難いことです。

ただ、「フシ」とだけ書いてあるところもありますが、それだけでも違います。

私が参考にしている音源、長尾閑月さんの演奏を聞いていると正本の節の名称と明らかに違っているところがかなり多く見受けられました。

そういう個所は私なりに全く変えてしまいました。

 例を挙げてご説明したいと思います。「心細さは限りなし」という文章があり、先ず一枚目の写真で活字にその文章の前に「七ツユリ」と節の名称が書いてあります。

二枚目の写真の正本にも、小さな文字ですがその通りの記述があります。

この「七ツユリ」という節は義太夫にはないと思いませんが、「三ツユリ」はあります。

つまり三回節を揺る、ということなのです。

古浄瑠璃は義太夫節よりも節は単純ですから、これは先ず節をなんらかの形で七回揺っていただろうと私は考えました。

そしてそのように作曲しました。

その結果の朱(譜)が三枚目の写真になります。

「限りなし」の「なし」のところで七回節を揺るようにしました。

これが当時の節と同じとは全く考えていませんが(かなり違うと思いますが)、基本的な考え方としては間違っていないと思います。

こういった部分に関しては、編曲ではなく私の作曲になるかもしれません。

そして四枚目の写真のように、本を書く際にも正本と同じ個所に節の名称「七ツユリ」を書きこみました。

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